近畿の有名神社数社を経験し、平成21年秋に私は吉野の山郷に鎮まる日本最古の水神を祀る丹生川上神社下社に着任しました。当時は参拝者も少なく、境内の閑散とした印象が今も思い出として残ります。
しかし、人が多い神社から吉野の里にきて、川のせせらぎ、鳥の声、風の音を感じ、この土地の魅力に魅せられました。それは、たまたま立ち寄る参拝者の方もここで同じものを感じたのではないでしょうか?
その気持ちは人から人に伝わり、宣伝もしない山郷の神社に多くの人が集まり始め、平成24年に神馬の奉納がありました。現在、白と黒2頭の馬も境内で飼育しています。
吉野下市にある当社の鎮座地は神武天皇が神様の教示を受けた場所。現代社会に暮らす人が忘れかけている大切な物を守っている場所なのです。日ごろの雑踏から離れ、ぜひ一度「丹生の風」を感じに来てください。